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めくるめく幻想の世界 ホフマンの物語へ

『チェブラーシカ』制作スタジオから “知的で美的な贈り物”
『ホフマニアダ ホフマンの物語』

《上映スケジュール》
2023/10/1 東京都写真美術館ホールにて国内最終上映!

『チェブラーシカ』(ロマン・カチャーノフ監督)、『霧につつまれたハリネズミ』(ユーリー・ノルシュテイン監督)の制作スタジオとして著名なモスクワのソユーズムリトスタジオが15年の歳月をかけて紡ぎあげた異色ファンタジー『ホフマニアダ ホフマンの物語』が東京都写真美術館ホールにて4月、緊急公開。
主人公はドイツ幻想文学の巨匠E.T.A. ホフマン。『くるみ割り人形とネズミの王様』『黄金の壺』『砂男』といった代表作の登場人物達とともに、現実世界と空想世界(アトランティス)を彷徨い続けるという、ホフマン文学の世界観に溢れた作品である。

これは、狂気か!芸術か!?

『ホフマニアダ ホフマンの物語』は一コマずつ撮影を重ねるストップモーションで制作された長編アニメーションで、パペットの衣装をはじめ、目や唇の動きまで意識した細部へのこだわりは狂気的でもある。クライマックスのシーンでは、総勢50体にのぼる人形たちが共演しており、その数はロシア・パペットアニメーション界の記録になっている。

もうひとつの『ホフマン物語』

昨年末、ホフマン原作『くるみ割り人形』が公開され話題を集めました。ホフマン関連の作品としては、J. オッフェンバックによるオペラ『ホフマン物語』が有名です。また、その映画化『ホフマン物語』(1951年)はベルリン、カンヌ両映画祭で受賞したオペラ映画の傑作です。

2023/10/1 上映情報

日時:10月1日(日) 11:00~

東京(恵比寿):東京都写真美術館ホール

全席指定
各回定員入替制/立ち見不可/事前予約不可
午前10:00より受付を開始いたします。
満席の場合、ご入場をお断りいたしますので、予めご了承ください。
開場は上映開始時間の10分前を予定しています。

同日にはオランダ発のパペットアニメーション「愛しのクノール」の上映も行われます。
料金
・一般 1,500円
・学生(大学、専門学校生)、高校生・中学生、  シニア(60歳以上)、
 障害者手帳をお持ちの方(介護者2名まで) 1,000円
・小学生 500円
※ 未就学児以下無料(要大人同伴)

各種割引
東京都写真美術館年間パスポートや開催中の展覧会、映画の半券、MIカード・JREカードの提示での割引などがあります。詳しくは東京都写真美術館のページをご覧ください。
※ 各種割引をご利用の際には証明書をご提示ください。

あらすじ

 エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンは今や大成した作家、作曲家であり芸術家です。自分の人生と作品を振り返り、過ぎ去った日々を思い起こします。そして若かりし頃の姿、すなわちドイツの小さな町で若き裁判官見習いとして働き、質素な家の屋根裏部屋を借りて音楽家を目指していた頃に自分を重ねていきます。日中は官庁で退屈な仕事をこなし、仕事の後は近所の居酒屋に足を向けます。そして夜には芸術的な創作活動に熱中するのです。
 官庁の官僚たちは、彼の目には灰色で卑劣なネズミのように映ります。街に住み、食べ過ぎで退屈な、獣のような習性を持った心のない操り人形のように。
目の前に突然開ける空想の世界で、若きエルンストは学生アンゼルムスに変身します。彼は3人の若い女性に翻弄されます。上流階級のヴェロニカ、無口で神秘的なオリンピア、そして美しいヘビ娘のゼルペンティーナです。どの女性もそれぞれにアンゼルムスにとっての理想の姿です。光と闇の力が秘密裏に彼の運命に影響を及ぼそうとする中、若者はすべての障害を乗り越えなくてはなりません。たとえそれが現実世界では不可能でも、少なくとも魔法の国アトランティスでは愛が成就するように。
 アンゼルムスはニワトコの木の下で金緑色のヘビ娘と出会い、ひと目で恋に落ちます。彼女は美しく若い女性、ゼルペンティーナに変身します。彼女は枢密文書官サラマンダー・リントホルストの娘なのです。
 エルンストは市場で年老いた魔女の商品を過って踏み潰してしまい、呪いをかけられます。魔女は「お前はガラス瓶の中でくたばるのだ!」と叫び、彼は度々その奇妙な言葉を思い起こさずにはいられません。
 他にも彼を不安にさせることがあります。少年期に乳母に聞いた砂男の話です。聞き分けのない子の目に砂を投げつけて目玉を取り、それを袋に入れて月の巣まで運ぶというのです。子供時代、エルンストは時折訪ねてきた父親の友人、弁護士コッペリウスが砂男だと考えます。
 エルンストは上流社会の無関心、虚栄心の強い官僚たちの醜さ、偽物の美しさによる策略の罠と日々対峙します。アンゼルムスの純粋さと熱意によって、エルンストは現実社会を切り抜け、アトランティスを見つけ、永遠の物語と登場人物たちを人々に伝えることになります。しかし今はまだ、これらの作品は偉大なロマン主義作家の想像の世界の中にだけ存在するのです。

日本版予告編とメイキング

日本版予告編 (1:31)

日本版予告編 (1:31)

メイキング映像~涙編 (0:44)

メイキング映像~涙編

メイキング映像~舞編 (1:39)

メイキング映像~舞編

メイキング映像~酒編 (1:26)

メイキング映像~酒編

メイキング映像~皿編 (0:55)

メイキング映像~皿編

メイキング映像~炎編 (1:17)

メイキング映像~炎編

クレジット

原題: HOFFMANIADA
邦題: ホフマニアダ ホフマンの物語
制作: ソユーズムリトフィルム・アニメーションスタジオ(ロシア)
監督: スタニフラフ・ソコロフ
脚本: ヴィクトル・スラフキン、スタニスラフ・ソコロフ
キャラクター・デザイン: ミハイル・シュミアキン
音楽: シャンドル・カロシュ
監修: 木野光司
配給: リスキット
協力: 太秦/T&Kテレフィルム/Stylab
(2018年/ロシア/ロシア語・日本語字幕/72分)
問い合わせ: リスキット info@riskit.jp / 太秦
Twitter: https://twitter.com/hoffmaniada

ソユーズムリトフィルムについて

ソユーズムリトフィルムは1936年6月10日に設立された、ソビエト時代から続くロシアの国立アニメーション制作会社。80年以上の歴史を持ち、その間1500本以上の様々なジャンルのアニメーションを制作、ロシア国内外から数多くの賞を受賞している。ロシア文化を語る時には不可欠の組織である。日本でも『チェブラーシカ』(ロマン・カチャーノフ監督)、『霧につつまれたハリネズミ』(ユーリー・ノルシュテイン監督)の制作スタジオとして知られている。

E.T.A.ホフマンについて

エルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマン(Ernst Theodor Amadeus Hoffmann, 1776年- 1822年)はドイツの作家、作曲家、音楽評論家、画家、法律家。文学、音楽、絵画と多彩な分野で才能を発揮した天才である。現在では幻想文学の鬼才として著名だが、その作品は死後1830年代のフランスで火が付き、19世紀後半には『コッペリア』、『ホフマン物語』などの舞台化がなされた。1892年にはペテルブルクでバレエ『くるみ割り人形』の初演が行われ、ホフマンの名は不朽のものとなってゆく。

『くるみ割り人形』について

『白鳥の湖』『眠れる森の美女』と並んで、チャイコフスキーの三大バレエ曲として知られる『くるみ割り人形』には原作が存在する。1816年に本作の主人公E.T.A.ホフマンによって発表された『くるみ割り人形とねずみの王様』である。それをフランスのアレクサンドル・デュマ親子がフランス語に翻訳したものを元に、バレエ組曲が生まれた。原作にはバレエ版では省略されたホフマンならではの夢と現実の間を浮遊するかのような不思議な世界が描かれており、そのテイストが本作にも色濃く表れています。『くるみ割り人形』はまた、昨年末ディズニーにより映画化され、ホフマン・ブームの口火を切りました。

『ホフマン物語』について

『ホフマン物語』は、フランスの作曲家ジャック・オッフェンバックによるオペラの演目です。本作の主人公E.T.A.ホフマンの小説から3つの物語がベースになっており、1881年にパリのオペラ=コミック座で初演されました。日本では1971年宝塚歌劇団が、宝塚バウホールの開場記念公演として安奈淳を主役に上演されました。また、新国立劇場でも、来年4月にフィリップ・アルロー演出による『ホフマン物語』の公演が控えており、はやくも大きな話題となっています。